ほとんど確実に右連続な修正は区別できないことの証明を行いたいと思います。これは確率論において非常に重要な問題で、これに取り組むことで深い洞察を得ることができます。
ほとんど確実に右連続な修正は区別できないことの証明
確率空間
以降の議論において登場する事象は全て可測ということにしておきます。
ここで、
さて、
ならば、これを「
更に、もし全ての時刻$t$で
が成立するとき、「
では、これらの関係性について少し考えてみましょう。
確率過程が区別できないならば修正である
確率過程が区別できないならば修正である
という命題が成り立ちます。
まず、全ての時刻においての事象の交わり、つまり
これを数式で表すと、
この関係から、次の不等式が成り立つことがわかります。
さて、もし
これは、
つまり、
では、逆が成り立つのはいつでしょうか。
ほとんど確実に右連続な確率過程は修正であるならば区別できない
実際には、両側で連続である必要はなくて、片側で連続であればよいので、
ほとんど確実に右連続な確率過程どうしは修正であるならば区別できない
という命題が成り立ちます。その証明を考えていきましょう。
念の為、ほとんど確実な事象との共通部分が確率を変えないことを思い出しておきましょう。

便宜上の記号として
と定めて、
としておきます。
が成り立ち、したがって
まず、
が成り立つことを示します。
そのために、任意に
が導かれます。
この結果より、
が成り立つことがわかりました。
つまり、任意の
が成立しているので、
も成立します。
より、
であることに注意すると、
であるので
が示されました。
- 参考文献
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Karatzas, I., Karatzas, I., Shreve, S., & Shreve, S. E. (1991). Brownian motion and stochastic calculus (Vol. 113). Springer Science & Business Media.
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