複素数値関数\(\frac{1}{z}\)が正則であることを証明してみましょう。この関数の定義域は原点を除いた複素数全体、すなわち \(\mathbb C \setminus { 0 }\) となります。
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1/zが正則であることの証明
この関数\(\frac{1}{z}\)は、実部と虚部に分けて考えると \(\frac{1}{x + iy}\) と書くことができます。
ここで、コーシーリーマン作用素 $\partial_{\bar z}$ を導入します。これは
\begin{align*}\partial_{\bar z} = \frac{1}{2} \left( \partial_x + i \partial_y \right) \end{align*}
と定義されます。
\begin{align*}& \partial_x \frac{1}{x + iy} = \frac{-1}{(x + iy)^2} \\&\partial_y \frac{1}{x + iy} = \frac{-i}{(x + iy)^2} \end{align*} \end{align*}
ですので、
\begin{align*} \partial_{\bar z} \frac{1}{x + iy} = 0\end{align*}
となるので、定義域全体で正則です。
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