2つの独立なポアソン過程の競争問題について解説します。
2つの独立なポアソン過程\(\{A_t \}_t, \{B_t \}_t\)で強度がそれぞれ\(\lambda_a, \lambda_b\)であるものが存在するとします。前者のイベントを\(A\)と呼ぶことにし、後者を\(B\)と呼ぶことにします。
\(B\)が\(m\)回発生する前に\(A\)が\(n\)回発生する確率について考えることにします。
最初に二つのポアソン過程を重ね合わせることにします。
つまり、イベント\(A, B\)のいずれかが発生した際にカウントされるポアソン過程\(\{C_t \}_t\)を考えることにします。
イベントが発生した時に、イベント\(A\)である確率は、
初めてイベント\(B\)が発生するより先に初めてイベント\(A\)が発生する確率と同じです。
考えているイベントが\(A, B\)合わせて\(k\)回目のイベントだとします。この\(k\)回目のイベントは、\(k-1\)回目にイベントが起きてから、初めて\(A, B\)のいずれかのイベントが発生する時なわけですから、イベントが\(A\)である確率は\(A\)が\(B\)より最初に起きる確率と同じになります。指数分布の無記憶正から、この確率は、
\begin{align*} \frac{\lambda_a}{\lambda_a + \lambda_b } \end{align*}
とわかります。
初めてイベント\(B\)が発生するより先に初めてイベント\(A\)が発生する確率については、以下の記事で解説しています。

\(B\)が\(m\)回発生する前に\(A\)が\(n\)回発生する確率は、結局どの時刻に起こっているかなどとは無関係に、
確率\(\frac{\lambda_a}{\lambda_a + \lambda_b }\)で成功とされる試行を繰り返す時、\(n\)回成功するまでに\(m\)回未満失敗する確率なので、負の二項分布を考えるだけになります。
というわけで単に、
\begin{align*} p = \frac{\lambda_a}{\lambda_a + \lambda_b }, \quad q = 1 – p \end{align*}
として、
\begin{align*} \left(\sum_{k = 0}^{m-1} {}_{n-1+k} C_{k} q^{k} p^{n-1} \right) p \end{align*}
が求める確率になります。
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