この記事では略算平均余命の再帰式の導出方法を解説します。
記号の復習をしておきます。
\(x\)歳の人が\(k\)年生きる確率を、
\begin{align*} {}_k p_{x} = \frac{l_{x+k}}{l_x}\end{align*}
という記号で表記します。
\(x\)歳の人が、\(x + t\)年目に死亡する確率を、
\begin{align*} {}_{t\mid}q_x = \frac{l_{x + k } \,-\, l_{x + k -1} }{l_x} \end{align*}
という記号で表記します。
\(x\)歳の人の離散的な期待余命を次で定めます。
\begin{align*} e_{x} = \sum_{k=1}^\infty k {}_{t\mid}q_x\end{align*}
\begin{align*} e_x = {}_1 p_x ( 1 + e_{x +1}) \end{align*}
が成立します。
このことは非常に簡単に確かめることができます。
略算平均余命は、生存確率の総和と一致するという命題があります。
詳しくは下記の記事を参照してください。
つまり、
\begin{align*} e_x = \sum_{k = 1}^\infty {}_k p_x \end{align*}
が成り立ちました。
ここで、
\begin{align*} {}_k p_x = p_x {}_{k-1}p_{x+1}\end{align*}
が成り立つことを利用すると、
\begin{align*} e_x = \sum_{k = 1}^\infty {}_k p_x
&= \sum_{k = 1}^\infty {}_1 p_x {}_{k-1}p_{x+1}
\\&={}_1 p_x \sum_{k = 1}^\infty {}_{k-1}p_{x+1}
\\&= {}_1 p_x \left( 1 + {}_1 p_{x+1} + {}_2 p_{x+2} + \cdots \right)
\\&= {}_1 p_x (1 + e_{x+1}) \end{align*}
となり、求めていた結果が得られました。
コメント