この記事では線形回帰モデルで制限付きモデルとの残差平方和の差がカイ二乗分布に従うことを証明します。
線形回帰モデルの設定
という線形回帰モデルを考えます。
また、
例えば帰無仮説
を考えてみます。(後述のハット行列
と表記することにします。また、
です。ついでに、
により
また、
とし、
とします。ついでに最初の
ここで、
と、
という関係になっています。
帰無仮説の下では、
と仮定していることになります。
とします。
と定めます。一応
残差平方和の差分
一般に、線形回帰モデルの残差平方和
は行列で表記すると、
でした。
とし、
とします。これらの差を考えます。
です。
であり、
ということを念頭に置いておきます(すみません極めて当たり前かもしれないで)。つまり、
です。ただし
また同様に、
となります。というわけで、
となります。
を考えることにします。つまり、
ですので、多変量標準正規分布です。
適当に直交行列
とすることができます。ただし、
という表記を用いています。
とできます。
は多変量標準正規分布の直交行列による変換なので多変量標準正規分布に従います。
というわけで、
は標準正規分布の2乗の
というわけで、帰無仮説の下で
ということが分かります。
線形回帰モデルを、
とする。帰無仮説
の下で、
が成り立つ。
回帰平方和との関係
回帰平方和は
により定義されますが、これを行列の表記に一旦直してみます。
と表記することにすると、
であることが分かります。
というのも、
だからです。ここで、帰無仮説として切片
つまり、
ということです。
と定めます。
となります。
つまり、帰無仮説において
であることがわかります。
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