指数分布の指数関数がパレート分布であることをわかりやすく解説!!!

この記事では、指数分布の指数関数がパレート分布であること、つまり、パレート分布の対数変換が指数分布であることを解説します。

パレート分布がなんだったかを思い出しておきます。最小値パラメータ\(x_m >0\)、形状パラメータ\(a\)のパレート分布とは、確率密度関数が
\begin{align*} f(x) = \begin{cases} \frac{a}{x_m}\left(\frac{x}{x_m} \right)^{-a-1} & (x_m \leq x) \\ 0 & (x < x_m)\end{cases}\end{align*}
で与えられる分布でした。
累積分布関数は、
\begin{align*} F(x) = \begin{cases} 1 – \left(\frac{x}{x_m} \right)^{-a} & (x_m \leq x) \\ 0 & (x < x_m)\end{cases} \end{align*}
であったことも思い出しておきましょう。
生存関数に着目することで議論を見やすくしましょう。
生存関数とは、
\begin{align*} S(x) = 1 – F(x) \end{align*}
と定義される関数です。

パレート分布の生存関数は、\(S(x) = 1 – F(x)\)なので
\begin{align*} S(x) = \begin{cases} \left(\frac{x}{x_m} \right)^{-a} & (x_m \leq x) \\ 1 & (x < x_m)\end{cases} \end{align*}
とすぐに求めることができます。

ここで、指数分布を思い出しておきます。平均が\(\frac{1}{a}\)の指数分布とは、確率密度関数が
\begin{align*} f(x) = \begin{cases} a e^{-ax} & ( 0 \leq x) \\ 0 & (x < 0) \end{cases} \end{align*}
で与えられる分布でした。指数関数の生存関数は、
\begin{align*} S(x) = e^{-ax}\end{align*}
です。

\(Y\)を平均\(\frac{1}{a}\)の指数分布に従う確率変数とします。
\begin{align*} X = x_m e^Y \end{align*}
として\(X\)を定めます。
\(X, Y\)の生存関数をそれぞれ\(S_X, S_Y\)と表記することにします。

\(x_m \leq x\)の場合を考えます(\(x < x_m\)の場合は\(S_X(x) =1\)とすぐにわかる)。
\begin{align*} S_X(x) &= P(X > x) \\&= P(x_me^Y > x) \\&= P(Y > \log{\frac{x}{x_m}}) \\&= e^{- a \log{\frac{x}{x_m}}} \\&= e^{\log{\frac{x}{x_m}}^a} \\&= \left(\frac{x}{x_m} \right)^{-a} \end{align*}
となるので、確かに\(X\)の生存関数はパレート分布の生存関数であることが確かめられました。
そのため、\(X\)がパレート分布に従うことがわかります。

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