今回は、生存関数を用いて確率変数の期待値を求める方法について詳しく解説します。
数学的な導出だけでなく、直感的な理解や具体的な例も交えて説明していきます。
定義
確率変数
を
期待値は、生存関数の積分によって表現することができます。
どういうことかというと、
定理
今回は、
任意の
任意の
であることをリマインドしておきます(念の為ですが、上記式は関数として一致というわけではなく実数値としていつでも一致するということです)。
途中で行った積分の順序交換が正当化できるかどうかを確認しておきます。
とりあえず気にせず積分の順序交換をしてやるぜーって人は気にしなくて大丈夫です。
ですが、
がボレル可測集合なので、
について、任意の
は
可測です(ここは補足記事を用意してあります)。
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積のボレル集合体とボレル集合体の積はいつ一致するかについての証明
積のボレル集合体とボレル集合体の積は、確率論や測度論における重要な概念である。ここで、「積のボレル集合体」とは、ふたつの位相空間の直積上におけるボレル集合の族を意味し、「ボレル集合体の積」は、それぞれの空間のボレル集合体のある種の積として定義される。
これら二つの概念は、一般的には異なるが、特定の条件の下で一致する。それは、各位相空間が第二可算(second-countable)である場合である。
ということで、フビニの定理が適用できて積分の順序交換ができます。
(最近数学をやっていないので細かいところで議論に致命傷があるかもしれません、コメント等で補足してもらえると助かります)
いずれにせよ、期待値は生存関数の積分と一致します。
負の値もとる確率変数の場合
と分解して、それぞれの部分に適用すればよいです。
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