デルタ関数のフーリエ変換の証明をわかりやすく解説

この記事では、デルタ関数のフーリエ変換について説明します。

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デルタ関数のフーリエ変換

デルタ関数を定義するための適切な枠組みとして、超関数が採用されることが基本的でしょう。

ここでは、簡単のために考える関数空間を\(C_c^\infty(\mathbb R^n) \) 、すなわち\(n\) 次元ユークリッド空間上のコンパクトな台をもつ滑らかな複素数値関数とします。実際にはより広いクラスで考えることができますが、ここではそれをしないことにします。

デルタ関数というより実際にはデルタ超関数と呼ぶのが妥当なのですが、間をとってデルタ(超)関数と表記することにしましょう。

定義: デルタ(超)関数

超関数\(\delta_0 : C_c^\infty(\mathbb R^n) \rightarrow \mathbb R\) を

\begin{align*} \delta_0 f = f(0) \end{align*}

により定める。これをデルタ(超)関数という。

この記事ではフーリエ変換を

\begin{align*}\mathcal F f (\xi ) = \int_\mathbb R e^{-i \xi x } f(x) dx \end{align*}

により定めています。採用している定数が異なる人は適当に定数分調整してください。

それでは実際に、デルタ関数のフーリエ変換を計算してみましょう。

\begin{align*} (\mathcal F \delta, f)
&= (\delta, \mathcal F f)
\\&= (\delta, \mathcal F f)
\\&= \mathcal F f(0)
\\& = \int_\mathbb R e^{-i0 x } f(x) dx
\\& = \int_\mathbb R 1 f(x) dx
\\& = (1, f) \end{align*}

となるので、

デルタ関数のフーリエ変換

\begin{align*} \mathcal F \delta_0 = 1 \end{align*}

という結果を得られます。

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