1/√(1+x^2)の積分の計算方法をわかりやすく解説

この記事では1/√(1+x^2)の積分の計算方法を解説します。
つまり、
\begin{align*} \int \frac{1}{\sqrt{1 + x^2}} dx \end{align*}
の計算方法を解説します。
余談ですが、京都大学の女性募集枠特色入試の数学サンプル問題でこの積分が使える場面がありました。

結論から書いてしまうと、

命題:1/√(1+x^2)の積分

\begin{align*} \int \frac{1}{\sqrt{1 + x^2}} dx = \log {\left( x + \sqrt{1 + x^2}\right)} + C \end{align*}
ただし\(C\)は積分定数です。

このことを証明しましょう。天下り的ですが、
\begin{align*} x = \frac{e^{\xi} – e^{-\xi}}{2}\end{align*}
と置きます。(双曲線関数を念頭に置いていますが、気にしないことにします)。

\(\frac{d}{d \xi} e^{-\xi} = – e^{-\xi}\)なので、
\begin{align*} dx = \frac{e^{\xi} + e^{-\xi}}{2} d\xi \end{align*}
であることに注意します。
\begin{align*} \int \frac{1}{\sqrt{1 + x^2}} dx
&= \int \frac{1}{\sqrt{1 + \frac{e^{2\xi} – 2 + e^{2 \xi}}{4}} } \frac{e^{\xi} + e^{-\xi}}{2} d\xi
\\&= \int \frac{1}{\sqrt{ \frac{e^{2\xi} + 2 + e^{2 \xi}}{4}} } \frac{e^{\xi} + e^{-\xi}}{2} d\xi
\\&= \int \frac{1}{\sqrt{ \left( \frac{e^{\xi} + e^{-\xi}}{2} \right)^2 }} \frac{e^{\xi} + e^{-\xi}}{2} d\xi
\\&= \int \frac{1}{\sqrt{ \left( \frac{e^{\xi} + e^{-\xi}}{2} \right)^2 }} \frac{e^{\xi} + e^{-\xi}}{2} d\xi
\\&= \int \frac{1}{ \frac{e^{\xi} + e^{-\xi}}{2} } \frac{e^{\xi} + e^{-\xi}}{2} d\xi
\\&= \int d\xi
\\& = \xi + C(積分定数) \end{align*}

最後に、\(\xi\)を\(x\)に直します。
\begin{align*} x = \frac{e^{\xi} – e^{-\xi}}{2}\end{align*}
なので、
\begin{align*} 2x = e^{\xi} – e^{-\xi} ,
\\2x e^{\xi} = e^{2\xi} – 1,
\\ e^{2\xi} – 2x e^{\xi} – 1 = 0. \end{align*}
ここで、\(\Xi = e^{\xi}\)と思って、\(\Xi^2 – 2x \Xi – 1 = 0\)と思うと、解と係数の関係を用いると、
(\(e^{\xi}\)は非負なので)
\begin{align*} \Xi = \frac{2x + \sqrt{4x^2 + 4 }}{2} \end{align*}
なので、
\begin{align*} e^{\xi} &= \frac{2x + \sqrt{4x^2 + 4 }}{2}
\\&= \frac{2x + 2\sqrt{x^2 + 1 }}{2}
\\&= x + \sqrt{1 + x^2} \end{align*}
より、\(\log\)をとって、
\begin{align*} \xi = \log {\left( x + \sqrt{1 + x^2}\right)} \end{align*}
であることがわかるので、
\begin{align*}\int \frac{1}{\sqrt{1 + x^2}} dx = \xi +C = \log {\left( x + \sqrt{1 + x^2}\right)} + C \end{align*}
と計算できました。

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