利力の導出方法を簡単に解説
実利率をr%としたとき、利力は\( \log(1 + r)\) で定められます。その導出を行なってみましょう。
導出
名目利率をi%とし、1年間の転化回数(1年間に利息を元金に組み込む回数)をk回とします。このとき、実利率は
\begin{align*} r = (1 + \frac{i}{k})^k -1 \end{align*}
で定められます。
\begin{align*} (r + 1)^{1/k} = 1 + \frac{i}{k} \end{align*}
であるので、
\begin{align*} i = k((r + 1)^{1/k} – 1) \end{align*}
が成り立ちます。名目利率を実利率と転化回数についての関数\( i(r, k) \) と思うことにします。
\( (r + 1)^{1/k} = e^{\log (1+r)^{1/k} } = e^{(1/k)\log (1+r)} \) であることを思い出します。
指数関数の原点まわりのテイラー展開が\( e^x = 1 + x + \frac{1}{2!} x^2 + \frac{1}{3!} x^3 + \cdots \) であることも思い出します。
すると、
\begin{align*} i &= k(r + 1)^{1/k} – 1) \\&= k( (1/k)\log (1+r) + \frac{1}{2!} ((1/k)\log (1+r))^2 + \frac{1}{3!}((1/k)\log (1+r))^3 + \cdots ) \\&= log(1 + r) + \frac{1}{2}\frac{1}{k} (\log (1+r))^2 + \cdots \end{align*}
となるので、kに関して極限をとると、
\begin{align*} \lim_{k \rightarrow \infty} i(r, k) = \log (1 + r) \end{align*}
が成り立ちます。
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