カバーなし金利平価とカバーあり金利平価の違いをわかりやすく解説

金利平価(Interest Rate Parity, IRP)は、為替レートの動きを予測する上で重要な役割を果たします。カバー付き金利平価(Covered Interest Parity, CIP)とカバーなし金利平価(Uncovered Interest Parity, UIP)の主な違いは、為替リスクをヘッジするかどうかです。

目次

金利平価説とは?わかりやすく解説!!!!

カバーなし金利平価

カバーなし金利平価は、為替リスクをヘッジしていない(つまりカバーしていない)ので、「カバーなし」金利平価と言います。

カバーなし金利平価(UIP)は、為替リスクをヘッジせず、将来の為替レートを予想に基づいて扱う理論です。
ある国の投資家が海外で資産運用する場合を考えてみましょう。

  • 外国通貨の金利: この商品の1年間の利回りを\(i^\prime\)とします。
  • 現在の為替レート: 現在の為替レートを\(E_t\)とします。つまり、外国通貨1単位は自国通過\(E_t\)単位に相当します。
  • 将来の予想為替レート: 将来の為替レートの予想を\(E_{t+1}^e\)とします。

この投資家が自国通貨1単位を元手にこの投資商品で1年間資産運用をした場合、運用結果は次のようになります。

運用結果

\begin{align*} (1 + i^\prime) \frac{E_{t + 1}^e }{E_t} \end{align*}

実際、元本である自国通貨1単位はその時点の為替レートに基づくと、外国通貨\(1/ E_t\)単位です。
したがって、海外投資を行うと、そのリターンは外国通貨\((1 + i^\prime) \frac{1}{E_t}\)単位となります。
これを自国通貨で換算すると
\begin{align*} (1 + i^\prime) \frac{E_{t + 1}^e }{E_t} \end{align*}
となります。

ここで重要なのは、\(E_{t + 1}^e\)はあくまで予想される為替レートであるため、
この運用結果は予想される運用結果にすぎないということです。

  • 国内投資の利回り: 自国通貨の金利を\(i\)とします。

仮に自国における運用と、海外投資による運用で結果に差が生じてしまう場合には、
裁定機会が存在してしまうことになります。
そこで、裁定が存在しないとするとカバーなし金利平価が成立します。

カバーなし金利平価

\begin{align*} (1 + i) = (1 + i^\prime) \frac{E_{t + 1}^e }{E_t} \end{align*}

カバーつき金利平価

カバーつき金利平価(CIP )は、為替リスクをヘッジして、予約された為替レートに基づいて扱う理論です。
カバーつき金利平価は、為替リスクをヘッジしている(つまりカバーしている)ので、「カバーつき」金利平価と言います。
カバーなしの場合と同様に、ある国の投資家が海外で資産運用する場合を考えてみましょう。

  • 投資商品の利回り: この商品の1年間の利回りを\(i^\prime\)とします。
  • 現在の為替レート: 現在の為替レートを\(E_t\)とします。つまり、外国通貨1単位は自国通過\(E_t\)単位に相当します。
  • フォワード為替レート: 将来の為替レートの予想を\(E_{t+1}^e\)とします。
運用結果

\begin{align*} (1 + i^\prime) \frac{F^t_{t + 1} }{E_t} \end{align*}

となります。

  • 国内投資の利回り: 自国通貨の金利を\(i\)とします。

ここで重要なのは、カバーなしの場合と異なり、
カバーつきの場合は予想される運用結果ではなく、確定した運用結果となります。

カバーなしの時と同様に、
仮に自国における運用と、海外投資による運用で結果に差が生じてしまう場合には、
裁定機会が存在してしまうことになりますので、裁定が存在しないとするとカバーつき金利平価が成立します。

カバーつき金利平価

\begin{align*} (1 + i) = (1 + i^\prime) \frac{F_{t + 1}^t }{E_t} \end{align*}

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