LaTeXでルート(平方根)やn乗根のコマンド | 高さ調整の方法

LaTeXは数式の表現に優れたタイプセッティングシステムであり、数学的なドキュメントや科学的な論文を作成する際に広く使用されています。特に数学の分野では、ルート記号(根号)の表記が頻繁に必要とされます。この記事では、LaTeXでルート記号をどのように表現するかを詳しく解説します。

基本的なルート記号

LaTeXで基本的な平方根を出力するには、\sqrt コマンドを使用します。以下の例を参照してください。

コマンド出力
\sqrt{5}\(\sqrt{5}\)
\sqrt[3]{x}\(\sqrt[3]{x}\)
\sqrtの使用例

注意として、\sqrt[3]{x}における\sqrtの直後の記号は{}ではなく[]です。

ルート記号の大きさや高さの調整

LaTeXではルート記号の大きさや高さを調節することも可能です。これにはいくつかの方法があります:

\vphantomを使用する方法

このコマンドは、指定された引数に基づいて「見えない」要素を作成します。
これを使用してルート記号内の高さを意図的に\vphantomの引数が誘導するサイズに調整することができます。
例えば、次の表の1行目のコードでは\(x\)と\(X\)の大きさが異なる場合でもルート記号全体が均一に見えるように調整されています。

コマンド出力
\sqrt{x \vphantom{X}}\(\sqrt{x \vphantom{X}}\)
\sqrt{x \vphantom{\frac{X}{Y}}}\(\sqrt{x \vphantom{\frac{X}{Y}}}\)
\vphantomの使用例

\mathstrutを使用する方法

LaTeXで用意されている\mathstrutは、特定の高さの「見えない」要素を挿入するために使われます。これを利用することで、ルート記号の高さを一定に保つことができます。

コマンド出力
\sqrt{x \mathstrut{X}}\(\sqrt{\mathstrut{x}}\)
\mathstrutの使用例

\sqrt{x}と\sqrt{\mathstrut{x}}を比較すると
\begin{align*} \sqrt{x}, \sqrt{\mathstrut{x}}\end{align*}
このように違いがわかります。

\smashを使用する方法

\smash[b]は下部分(深さ)を潰し、\smash[t]は上部分(高さ)を潰します。

コマンド出力
\sqrt{\smash[b]{x}}\(\sqrt{\smash[b]{x}}\)
\sqrt{\smash[t]{x}}\(\sqrt{\smash[t]{x}}\)
\sqrt{\smash[b]{\frac{X}{Y}}}\(\sqrt{\smash[b]{\frac{X}{Y}}}\)
\sqrt{\smash[t]{\frac{X}{Y}}}\(\sqrt{\smash[t]{\frac{X}{Y}}}\)
\smashの使用例

これらのコマンドを使用することで、LaTeXでの数式の表示をより精密に制御し、望む見た目を得ることができます。ただし、これらのコマンドを適用する際には、全体の文書のスタイルとの調和を考えて適切に使用することが重要です。

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