全単射が閉写像であることと開写像であることは同値であることを示します。
全単射が閉写像であることと開写像であることは同値であることの証明
正確には次の命題が成り立ちます。
\((X, \mathcal O_X)\) および \((Y, \mathcal O_Y)\) を位相空間とし、 \(f:X \rightarrow Y\) が全単射であるとする。このとき、\(f\) が閉写像であることと \(f\) が開写像である。
事前準備
閉写像: \(f: X \rightarrow Y\) は、\(U \subset X\) が閉集合ならば \(f(U)\) が\(Y\) の閉集合であるとき、閉写像といいます。
開写像: \(f: X \rightarrow Y\) は、\(U \subset X\) が開集合ならば \(f(U)\) が\(Y\) の開集合であるとき、開写像といいます。
証明
大事なこととして、\(f: X \rightarrow Y\) が全単射であるならば、任意の集合\(A \subset X\) に対して
\begin{align*} f(X \setminus A) = Y \setminus f(A) \end{align*}
が成り立つことを思い出しておきましょう。
必要性 (\(f\) が閉写像ならば \(f\) が開写像である):
任意の開集合 \(U \subset X\) を考えます。\(X \setminus U\) は閉集合なので、\(f(X \setminus U) = Y \setminus f(U)\) は \(Y\) で閉です。
したがって、\(f(U) = Y \setminus f(X \setminus U)\) は \(Y\) で開です。これは任意の開集合 \(U \subset X\) に対して成り立つため、
\(f\) は開写像です。
十分性 (\(f\) が開写像ならば \(f\) が閉写像である):
任意の閉集合 \(C \subset X\) を考えます。\(X \setminus C\) は開集合なので、\(f(X \setminus C) = Y \setminus f(C)\) は \(Y\) で開です。
したがって、\(f(C) = Y \setminus f(X \setminus C)\) は \(Y\) で閉です。これは任意の閉集合 \(C \subseteq X\) に対して成り立つため、
\(f\) は閉写像です。
以上から、\(f\) が閉写像であることと \(f\) が開写像であることは同値であることがわかります。
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