2回フーリエ変換が時間反転であることの証明

フーリエ変換を2回行うことは、時間を反転させる作用に一致します。これは、フーリエ変換された関数に再びフーリエ変換を行うことと、フーリエ逆変換を行うことの間の関係をみることにより簡単にわかります。

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2回フーリエ変換が時間反転であることの証明

フーリエ変換は、音や光のような波動を異なる視点から解析するための強力な数学的ツールです。例えば、音楽の中には多くの異なる音の高さやリズムが組み合わさっています。フーリエ変換を使用すると、これらの複雑な音楽を、それを構成する個々の音の高さや強さとして分解することができます。これは、時間の流れの中での出来事を、周波数という新しい視点で見る方法と言えます。

さて、このフーリエ変換を2回行うと、面白いことが起こります。それは、時間が逆さまになるというものです。具体的に言うと、元の波動の形が時間軸に対して反転します。

2回フーリエ変換が時間反転であることの証明を解説

フーリエ変換を行う関数のクラスとして急減少関数を考えることにします。
フーリエ変換逆フーリエ変換を次のように定義します。
\begin{align*} Ff(\xi ) = \frac{1}{(2\pi)^{\frac{n}{2}}} \int_{\mathbb R^n} e^{-i\xi x} f(x) dx \end{align*}
また、逆変換を
\begin{align*} F^\prime f(x) = \frac{1}{(2\pi)^{\frac{n}{2}}} \int_{\mathbb R^n} e^{i x \xi} f(x) dx\end{align*}
により定めることにします。

このとき、以下が成り立つことがわかります。

命題:2回フーリエ変換が時間反転であること

\begin{align*} FFf(x) = f(-x)\end{align*}

このことは、フーリエ変換を2回行うことが、時間反転に一致することを意味しています。

証明

\begin{align*}FFf(x) &= \frac{1}{(2\pi)^{\frac{n}{2}}} \int_{\mathbb R^n} e^{- i x \xi} Ff(\xi) d\xi
\\&= \frac{1}{(2\pi)^{\frac{n}{2}}} \int_{\mathbb R^n} e^{ i (-x) \xi} Ff(\xi) d\xi
\\&= f( -x)\end{align*}
と証明することができます。最後の等号は、パラメータを\(\xi \rightarrow – x \) とするフーリエ逆変換に相当することから従います。これで証明を終了します。

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