再保険関数空間上の最適化問題が2パラメータの最適化問題に退化する状況を解説

Fを再保険関数全体の集合
F:={f:R+R+f is increasing and convex,0f(x)xx0}.
とします。
ここで、 fFは、損失xに対して再保険会社が元受保険会社に支払う保険金をf(x)とします。

さらに、G
G={f(x):=c(xd)+Fc[0,1],d0}
によって定義します。すなわち、Stop Loss&QS型の再保険全体です。

損失を表す確率変数をXで書くことにします。再保険関数fに対するパラメータαのネットのコストを
Hα(f):=S1(α)f(S1(α))+(1+ρ)E(f(X))
により定義します(ρは出再の保険料が発生することによる安全割増)。
S1(α)f(S1(α))が正味の保険金で、(1+ρ)E(f(X))が出再による保険料の支出です。

任意のfFに対して、f¯G
H(f¯)H(f)
を満たすものが存在する。

実際、fS1(α)における劣微分
f(S1(α))={cR|f(x)f(S1(α))+c(xS1(α)) for all xR}
から適当に
cαf(S1(α))
を一つ選んできて、
f¯(x)=cα(x(S1(α)+f(S1(α))cα))+
とすれば、f¯Gであり、
H(f¯)H(f)

となります。実際、
f¯(S1(α))=f(S1(α))
であることと、
cα(x(S1(α)+f(S1(α))cα))+=(cα(x(S1(α))+f(S1(α))))+
であり、劣微分の定義から
f(x)f(S1(α))+cα(xS1(α)) for all xR
なので、
f(x)(f(S1(α))+cα(xS1(α)))+ for all xR
となります(右辺が0になるときはf(x)0が成り立つかですが、成り立つので)。
そういうわけで、
f¯f
なので、
E(f¯)E(f)
ということを踏まえると、
Hα(f¯)=S1(α)f¯(S1(α))+(1+ρ)E(f¯(X))S1(α)f(S1(α))+(1+ρ)E(f(X))=Hα(f)
ということが分かりました。

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