e^{-x}は急減少関数でないがe^{-x^2}は急減少関数であることの証明

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e^{-x}は急減少関数でないが、e^{-x^2}は急減少関数であることの証明

\( e^{-x}\) が急減少関数になるかどうかを調査しました!

簡単のために\(\mathbb R \rightarrow \mathbb R\) のような一変数関数を考えることにします。

急減少関数

急減少関数とは、無限遠方での減衰が非常に早い関数のことです。今回は急減少関数の定義として次のものを採用します。

任意の\(n, m \in \mathbb N\) に対して、

\begin{align*} \lim_{|x| \rightarrow \infty} |x^m (\frac{d^n}{dx^n} f) (x) | = 0 \end{align*}

をみたす関数を急減少関数といいます。他にも同値な定義はありますが、ここでは言及しないことにします。

e^{-x}が急減少関数でないことの証明

e^{-x}が急減少関数でないことを証明してみようと思います。

落ち着いて考えてみましょう。\(e^{-x}\) のグラフを見てください。

e^{-x}のグラフ

明らかにマイナス方向では減衰してません。実際、

\begin{align*} e^{-x} \rightarrow \infty \quad (x \rightarrow – \infty) \end{align*}

となるので、急減少関数ではありませんね。証明は終了です。

e^{-x^2}が急減少関数であることの証明

続いて、\(e^{-x^2}\) が急減少関数です。そのことを証明してみましょう。

\(e^{-x^2}\) を微分すると\(-2x e^{-x^2}\) です。もう一度微分すると、\(-2 e^{-x^2} + 4 x^2 e^{-x^2}\) です。こんな感じで\(m\) 回微分すると結局\(\frac{d^n}{dx^n} e^{-x^2} = p(x) e^{-x^2}\) と、適当な\(n\) 次の多項式\(p\) を用いて表されます。

\begin{align*} \lim_{|x| \rightarrow \infty} |x^n| \frac{p(x)}{e^{x^2}} = \lim_{|x| \rightarrow \infty} \frac{\textrm{定数}}{e^{x^2}} = 0 \end{align*}

となります。ロピタルの定理を繰り返し使いました。これで証明は終了です。

ついでに\(e^{-x^2}\) のグラフをみてみましょう。

e^{-x^2}のグラフ

どうでしょうか。\(e^{-x}\) と違ってマイナス方向でも減衰していますよね。

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