2階線型同次方程式、あるいは2階線型斉次方程式と呼ばれる微分方程式のうち、定数係数であるものの解き方について簡単に説明します。
2階線型同次方程式(定数係数)の解き方を最短で解説
目標
\(a, b \in \mathbb R\) として、
\begin{align*} \frac{d^2}{dt^2}x(t) + a \frac{d}{dt}x(t) + b = 0\end{align*}
という微分方程式の解を
\begin{align*} C^2(\mathbb R) \end{align*}
の中から探しましょう。
方針と補足
方針ですが、勘で探します。いろんな解があると思いますが、とにかく適当に探すことにします。
解全体の空間の基底がみつかれば、もはや全て見つけたも同然なんですが、そんなことは一旦考えないでとにかく解を発見することに努めます。
解その1
\(r \in \mathbb R\) として、
\begin{align*} e^{rt} \end{align*}
のかたちの解があるかを検討します。
\begin{align*} \left( \frac{d^2}{dt^2} + a \frac{d}{dt} + b \right) e^{rt} = \left( r^2 + ar + b \right) e^{rt} \end{align*}
であるので、
\begin{align*} \left( r^2 + ar + b \right) e^{rt} = 0 \end{align*}
が成り立つ\(r\) を見つければ、微分方程式の解になりますね。\(e^{rt} > 0\) で両辺をわると、
\begin{align*} r^2 + ar + b = 0 \end{align*}
を解くことに帰着されます。普通に二次方程式を解けば良いので、\(\frac{-a \pm \sqrt{a^2 – 4b} }{2} \)が解ですね。つまり、
\begin{align*} e^{\frac{-a \pm \sqrt{a^2 – 4b} }{2} t} \end{align*}
は微分方程式の解になります。
解その2
次に、\(r \in \mathbb R\) として、
\begin{align*} te^{rt} \end{align*}
のかたちの解があるかを検討します。
\begin{align*} \left( \frac{d^2}{dt^2} + a \frac{d}{dt} + b \right) re^{rt} = \left(r^2 + ar + b \right )te^{rt} + \left(2r + a \right )e^{rt} \end{align*}
となります。
\begin{align*} r^2 + ar + b = 0 \end{align*}
の両辺を\(r\) に関して微分すると、
\begin{align*} 2r + a = 0 \end{align*}
となります。すなわち、\(r^2 + ar + b = 0\) の解は自動的に、\(2r + a = 0\) を満たします。
というわけで、単に、\(r^2 + ar + b = 0\) を満たす\(r\) であればこの微分方程式の解になるのです。つまり、
\begin{align*} t e^{\frac{-a \pm \sqrt{a^2 – 4b} }{2} t} \end{align*}
という解がみつかります。
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