この記事では標準正規分布の二乗が自由度1のカイ二乗分布であることの証明をします。
まず最初にカイ二乗分布の確率
自由度\(k\)のカイ二乗分布の確率密度関数は、
\begin{align*} f(x) = \begin{cases} \frac{\left( \frac{1}{2}\right)^{\frac{k}{2}} x^{ \frac{k}{2} – 1} e^{- \frac{1}{2} x } }{\Gamma(\frac{1}{2})} & (0 \leq x) \\ 0 & \textrm{otherwise} \end{cases} \end{align*}
です。
ですので、
自由度\(1\)のカイ二乗分布の確率密度関数は、
\begin{align*} f(x) = \begin{cases} \frac{\left( \frac{1}{2}\right)^{\frac{1}{2}} x^{- \frac{1}{2}}e^{- \frac{1}{2} x } }{\Gamma(\frac{1}{2})} & (0 \leq x) \\ 0 & \textrm{otherwise} \end{cases} \end{align*}
です。
ここで、
\begin{align*} \Gamma(\frac{1}{2}) = \sqrt{\pi} \end{align*}
であったことを思い出しておきます。
従って、ガンマ関数の部分を書き換えて整理すると、
自由度\(1\)のカイ二乗分布の確率密度関数は、
\begin{align*} f(x) = \begin{cases} \frac{1}{\sqrt{2\pi x}} e^{-\frac{1}{2}x} & (0 \leq x) \\ 0 & \textrm{otherwise} \end{cases} \end{align*}
です。
さて、標準正規分布\(N(0,1)\)の確率変数の二乗の確率密度関数を計算してみます。
上記の記事で具体的な導出をしていますが、
確率変数\(X\)の確率密度関数を\(f\)とします。
このとき、\(X^2\)の確率密度関数は、
\begin{align*} \frac{1}{2\sqrt{x} } f(\sqrt{x}) + \frac{1}{ 2 \sqrt{x} } f( – \sqrt{x})\end{align*}
です。勿論、負の値に対しては0です。
\(X\)を標準正規分布\(N(0,1)\)に従う確率変数とすると、\(X\)の確率密度関数は、
\begin{align*} f(x) = \frac{1}{\sqrt{2 \pi}} e^{ – \frac{x^2}{2}} \end{align*}
であったので、\(X^2\)の確率密度関数は、\(0 \leq x\)に対して
\begin{align*} &\frac{1}{2\sqrt{x} } f(\sqrt{x}) + \frac{1}{ 2 \sqrt{x} } f( – \sqrt{x}) \\&= \frac{1}{2 \sqrt{x}} \frac{1}{\sqrt{2 \pi}} e^{ – \frac{x}{2}} + \frac{1}{2 \sqrt{x}} \frac{1}{\sqrt{2 \pi}} e^{ – \frac{x}{2}}
\\&=\frac{1}{\sqrt{2 \pi x}} e^{ – \frac{x}{2}} \end{align*}
となります。無論、\(x < 0\)に対しては\(0\)です。
これは確かに、自由度1のカイ二乗の確率密度関数になっていることが確認できると思います。
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