2つのポアソン過程の一方が先にイベントを発生する確率を解説!!!

この記事では2つのポアソン過程の一方が先にイベントを発生する確率を解説します。

命題:2つのポアソン過程の発生順序

\(\{A_t \}_t, \{B_t \}_t\)を2つの独立なポアソン過程とし、それぞれ強度(intensity)は\(\lambda_a, \lambda_b\)であるとします。

このとき、1回目のイベントの発生が\(\{B_t \}_t\)よりも\(\{A_t \}_t\)の方が早い確率は、
\begin{align*} \frac{\lambda_a}{\lambda_a + \lambda_b}\end{align*}
である。

このことを実際に確かめてみましょう。
\(\{A_t \}_t, \{B_t \}_t\)それぞれ、1回目のイベントが発生するまでの時間は平均\(\frac{1}{\lambda_a}, \frac{1}{\lambda_b}\)の指数分布に従います。なので、
\begin{align*} X \sim Exp(\lambda_a), Y \sim Exp(\lambda_b)\end{align*}
として
\begin{align*} P(X < Y)\end{align*}
が求めたい確率です。\(X, Y\)の確率密度関数をそれぞれ\(f_X, f_Y\)で表記することにします。
\begin{align*} P(X < Y) &= \int_0^\infty P(Y > t \mid X = t)f_X(t) dt
\\&=\int_0^\infty P(Y > t)f_X(t) dt
\\&= \int_0^\infty e^{-\lambda_b t}\lambda_a e^{-\lambda_a t} dt
\\&= \lambda_a \int_0^\infty e^{-(\lambda_a + \lambda_b)t} dt
\\&= \frac{\lambda_a}{\lambda_a + \lambda_b} \end{align*}
と計算することができます。

逆に、\(\{B_t \}_t\)の方が1回目のイベントを先に発生する確率は、
\begin{align*} \frac{\lambda_b}{\lambda_a + \lmabda_b}\end{align*}
となります。
もちろん、\(P(X < Y) + P(Y > X) = 1\)ですが、確かに
\begin{align*} P(X < Y) + P(Y > X) = \frac{\lambda_a}{\lambda_a + \lmabda_b} + \frac{\lambda_b}{\lambda_a + \lmabda_b} = 1 \end{align*}
となっていることが確認できると思います。

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